問責決議とは?

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GWは、いかがお過ごしでしたか。曇りや雨がちらつく日々も多かったので、折角の休日が予定通り遊べなかった人も多かったことと思います。私は、前半は鹿児島で後半は東京で活動しました。4月28日、5月1日2日と、当初は委員会が入る予定でしたが、自民党が「全ての委員会で審議拒否」という通告をしてきたため、予定外のお休みがもらえました。。そもそも、なぜ「審議拒否」となったかと言うと、「参議院において、国土交通大臣、防衛大臣の問責決議が、なされたのに辞任も罷免もしないのは納得できない」との理由からです。国務大臣の指名権は、内閣総理大臣にあると憲法に書いてあるにもかかわらず、です。大臣の資質の問題は、別にして、これでは実質上、参議院が大臣の指名権を持っているのと同じです。この考えに則って大臣を罷免するとなると、総理大臣の問責決議がなされた場合は、どうなるのかと考えてみれば、この問責決議の在り方がいかに理不尽か御理解いただけると思います。なぜなら、衆議院でも内閣不信任という制度がありますが、その場合は、総理大臣は、内閣総辞職か解散総選挙という対抗策としての選択肢を憲法上有していますが、参議院における問責決議では、なんの対抗手段も法的に担保されていないからです。もっとも、民主党も野党時代に何回か「問責決議」を出していますが、審議の阻害にならないよう一応、国会会期末に出すという形をとってきました。そうすれば、総理大臣としても罷免や辞職でなく「内閣改造」で対応できる上、審議が止まることもないからです。ところが、このように会期の途中で、しかも何カ月も前からこの時期をターゲットにして問責決議を出すと言うのは、挙げたこぶしの落とし所がなくなるような行動だけに、ガチンコ勝負になってしまい国会審議が前に進まなくなる可能性があります。連休明けでなんとか「税と社会保障の一体改革」関連だけは、例外扱いとして審議に応じてもらえそうではありますが、そのほかの委員会は、今だにストップしています。最も、与党議員は、委員会がストップしても、法案作成や陳情処理、そして各分野の勉強会などほとんど通常の活動と変わりませんが。逆に、変な話ですが、おかげで兼ねては出席できない平日の会合や地元の会合に出席できたという意味では、自民党さまさまかもしれませんね。

さて、4月に第一審で無罪判決が出された小沢元代表の裁判で、検察審査会が控訴するとのニュースが飛び込んできました。先日の無実判決で、小沢議員のすべての疑惑が晴れたとは思いませんが、今回の裁判とは別の次元の話でしょう。今回の裁判は、虚偽記載の共犯性を戦ったもので、そもそも検察は2回も不起訴にしている案件です。それを、検察審査会が控訴するとは、「検察の不起訴処分の理由づけ」が疑問視されます。これにまた、膨大な時間と税金が費やされると思うと、検察審査会の弁護士の公金に対するコスト感覚を疑います。もっとも、司法の場で行われる判断に意見する立場ではありませんが。

5月からクールビズが始まりました。久しぶりにネクタイをはずしてオフィスに来ると、開放的でいい気分ですが、ちょっと羽目を外したくなりますね。なんとか気を引き締めて頑張ります。

 

4月の8日と9日は、民主党世界遺産議員連盟の所属議員10人で屋久島の視察に行きました。これまで、何度も訪れた屋久島でしたが、知らない事がいっぱいあることを認識させられました。世界自然遺産そして独立した国立公園としての屋久島を自然を残しながらどう発展させるか、島の皆さんと一緒に知恵を出していかなくてはなりません。

ところで、13日に、AIJ投資顧問関連の証人尋問を西村ITM証券社長に対して行いました。NHKでの生中継でしたが、ご覧いただけたでしょうか。(衆議院のホームページでもご覧になれます)証人尋問と言うのは、なかなか難しいものです。相手も、偽証罪が控えていますから、あまり直球の質問を投げすぎると「記憶にない」とか「刑事罰処されることもあるのでにお話しできない」(この理由による証言拒絶は、認められています)とか逃げられてしまいます。そこで、一般論から絡めて質問を行い、証人が答えをはぐらかさない様にするにはどうするかが質問のやり方のポイントです。画像をご覧いただき、是非ご意見を戴きたいと思います。

さて、先週日曜日に、鹿児島市会議員選挙の投開票が行われました。今回の選挙は、民主党政権に対する逆風の中で大変厳しい選挙でした。結果は、現職5人中2人が落選。もちろん、国政の影響は大きいのですが、鹿児島のような比較的大きな市では、政党だけでなく地縁・血縁・組織・個人後援会の総合力が必要であることを改めて実感しました。それにしても、投票率が、47%台と大変低いことも問題です。政治に対して関心が低いというのは、我々政治家にも責任がありますが、もっとも大きな責任は、教育にあると思います。政治参加が、自分の生活にいかに影響しているかを認識させる教育を行わなくてはなりません。「権利」の主張の裏側には「義務」が存在し、「公共サービス享受」の裏側には、「納税」が散在することを再認識させる教育を真剣に考えていかなくてはいけないと感じました。

最後に、先週末、政府は、関西電力大飯原発の再稼働を原則承認し、枝野経済産業大臣が県知事に理解を求めに行かれました。本当に、この時期でよかったのだろうかとの議論が沸き起こっています。確かに、県や地域の首長とは、この一年綿密な対話がなされた事と思いますが、国の基準に対する信頼が喪失している中、規制庁設立前に、政府が大きく舵を取るのは時期早尚ではないかと思います。ただ、たとえ停止中でも、電子炉がある限り常に地震・津波の危機には直面しているのですから、廃炉の計画や災害対策計画をないがしろにはできません。

19日午後、野党がまたもや「問責決議」を参議院で提出するようです。前田国土交通大臣の選挙運動問題は、議論のあるところかもしれませんが、田中防衛大臣については、「答弁が下手」とかいう理由で問責決議を認めるのはどうかと思います。法的効力はないとはいうものの、国会審議が一時的にも止まってします(つまり、余計な税金が使われてしまう)訳ですから、問責決議提出に対するそれなりのルールが必要な気がします。

来る13日の金曜日、AIJ問題に関する証人喚問が、衆議院財務金融委員会で行われます。その中で、西村ITM証券社長への証人質問を私が行うことになりました。NHK総合で午後2時より生中継されますので、ぜひご覧ください。

 

 

まず、始めにお詫びです。又も、パソコンの具合が悪くなり二週間以上もこのブログをお送りできませんでした。なんと、新しいプログラムをインストールした瞬間から日本語が打てなくなってしまったのです。今日からは、当分事務所の秘書さんのパソコンを借りて、ブログをお送りいたします。

さて、三月末は連日5~7時間に及ぶ「税と社会保障の一体改革」の党内議論がなされ、何とか3月31日の閣議決定に間にあいました。しかしながら、党内での意見統一がなされたとは言い切れず、やや後味の悪い決着の仕方となりました。ただ、議論を聞いていると「慎重派」の意見は、「そもそも論」が多く、法案の検討会議には適さない議論が多くなされ、ただ、時間を浪費するようないわゆる「演説」が多かったことも事実で、このままではいつまでたっても議論は収束しない感じもありましたので、前原政調会長が議論を引き取って、「政調会長一任」を取り付けようとした行動にも、それなりに義があったと思います。今後、「成長戦略」「定数削減」「逆進性補完」そして「社会保障の詳細」の議論を早急に詰めて国会論戦に臨むことが肝要です。
また、この間、私の属する財務金融委員会では、「AIJ問題」で持ちきりでした。AIJ投資顧問の淺川代表らの参考人質疑が行われ、全国放送で注目を浴びましたが、4月13日には、浅川代表(AIJ投資顧問)、西村社長(ITM証券)および石山さん(元社会保険庁)を承認として委員会にお呼びし、真相の解明を行うことになりました。中小企業の年金を言葉巧みに誘導し、結果、2千億円近い損失を蒙ってしまった責任は、誰にあるのか。構造上の問題は、どこにあるのかを明らかにしなくてはなりません。

ところで、先週は、江田元法務大臣が、鹿屋市のハンセン病療養所「敬愛園」にお越しになりました。私も、歓迎会、献花、園内放送などご一緒させていただきましたが、江田先生の人懐こいお人柄に、多くの皆さんが惹かれたことともいます。政治の世界では、元参議院議長を務めるなど大変厳しい方ですが、一歩外に出るとこんなに人間的な方だということを私もはじめて知りました。ご協力を頂いた、自治会の皆さん、NPO法人の皆さん、鹿屋市長、肝付町長を始め多くの皆さんに感謝です。

最後に、私の同僚の木内孝胤衆議院議員が、先日、民主党に離党届を出しました。実は、木内さんは、私のメリルリンチ時代の後輩で大の仲良しだっただけに残念ですが、彼の思いも理解できるだけに複雑な気持ちです。私自身も、金融の世界から政治の世界に転進して約3年。こんなはずじゃなかったと思うことも一杯あります。政権政党なのに、思ったように政策を実行できなかったり、外部からのノイズによって思ってもいない方向に引きずられたり、また、じっくりと政策を自分で吟味する時間が取れなかったり。既存政党の中にいる限り、必ず限界はありますが、無所属でしかも与党の一員でなかったら、政策の実現が困難あることもまた、事実です。人それぞれの事情はあるとは思いますが他に方法が無かったのかと思うと残念です。

今年度からは、ブログの回数を増やしていきますので、よろしくお願いします。それにしても、総理主催の「桜を見る会」が、北朝鮮のミサイル問題で中止に追い込まれたのは残念でした。北朝鮮の駄々っ子ぶりをいつまでも看過する事は、できません。それなりの覚悟を持って、外交交渉が行われる事を望みます。

このところ連日「税と社会保障の一体改革」の議論が党内で行われています。14日から連日4~5時間の長丁場での議論です。いわゆる増税容認派と増税慎重派の議論の争点は、絞られてきています。第一に、「経済成長の前提なしに増税が行われれば、景気が冷え込み逆に税収が下がる。だから、消費税増税前に、景気の動向が順調に推移しているという確認が必要である。したがって、名目・実質の国民総生産の数値基準を法案に盛り込むべきである」と言うのが慎重派の意見。容認派は、「努力目標としての経済成長は理解できるが、将来の内閣の判断を縛り付けるような法律を作るべきでない」という考え方。第二に、将来の再増税の可能性です。「一定の期間後(今の前提は2016年)、年金の国家負担などによる社会保障費が増大した時点で、再度税率を見直す」という項目を法案に盛り込むかどうかです。この議論は、今週も続けられます。政府としては、早期に合意を取り付け週内の閣議決定、3月中の法案提出を行いたいと考えています。これに対し、慎重派は、社会保障の細部の詰めを行ってからの閣議決定で構わないので、もっと慎重な議論が必要だとの主張です。

ここで大事なことは、議論を長引かせないことです。いろんな意見がありますが、それらを十分に反映しながらも整合性のとれた法案をできるだけ早く仕上げることが必要です。ですから、今週はたとえ徹夜の議論になろうとも答えを出さなくてはなりません。世界のマーケットは、この議論を見ています。今、日本の政治が課題を避けるようなことがあれば、「日本売り」が加速されかねません。お互いの意見を十分に尊重しながらも、なんとか落とし所を探し出して、今週中に決着をつけなくてはなりません。

今日の新聞に「岡田副総理、自民党との連立を模索」と出ていましたが、その選択は、一つの可能性を除いて、あり得ません。その可能性とは、総理大臣の地位を自民党に委ねるというものです(昔、自民党が社会党の村山党首を総理にすることを条件に連立内閣を組んだことがありましたが、その時の自民党は野党でした)。しかし、その選択を衆議院の第1党であり過半数を占めている政権与党の民主党が提案するはずもなく、結果として実現する可能性はほとんどゼロでしょう。ということは、この動きをリークさせることに意味があると考えるべきですが、もしそうなら、これは「姑息な手段」としか言いようがありません。私たちは、自民党の癒着の政治を否定することから政権交代を実現しました。どんなことがあっても、時計の針を元に戻してはいけないのです。今の民主党への多くのご批判も戴いています。しかし、時代が確実に変わってきている事は確かです。橋下大阪市長の「維新の会」に注目が集まる理由も、わかりすぎるほどわかっています。であるならば、ここでもう一度政権交代の意義を振り返り、正々堂々とした議論を行い、一つ一つに答えを出すのが私たち与党の使命だと考えます。

ところで、昨日は、馬淵元国交大臣が大隅に来てくれました。四箇所での国政報告会、若手経営者とのミニ集会、後援会や首長さんとの昼食会などぎっしりと詰まった予定を快くこなしてくださいました馬渕さんに心から御礼を申し上げます。また、お集まりくださいました多くの皆さんに、本当に感謝申し上げます。(それにしても、馬淵さんのマッチョぶりは、すごいです。)

皆さん、今週もがんばっていきましょう。

今週末は、種子島(南種子町、西之表市)、屋久島(安房、宮之浦)で国政報告会を開催させていただきました。お忙しい中ご出席くださいました多くの皆さんに、心から御礼を申し上げます。

西之表に滞在中、東京の友人からメールが届き、「今週号のFRIDAYに、網屋さんが載ってるよ」と書かれていました。自分にFocusされるような心当たりはないものの、いったい何が載っているのか気になって仕方がない週末でした。月曜日に、帰京後、早速「FRIDAY」を購入し、くまなく見たところ「東京電力救済のための国費投入」とう記事に、私が話した内容が記載されていました。つまり、「国費を投入するなら、政府は経営に口を出すべき」という私見が掲載されていました。と言う訳で胸をなでおろしました。

ところで、このところほとんど毎日委員会が開かれ、年度末に向けて平成24年度予算についての議論、AIJ問題などを議論しています。そこで、今回は、AIJ投資顧問の問題についてお話します。

これは、AIJ投資顧問が、2,000億円に上る企業の厚生年金基金を運用のために集めながら、実はそのほとんどが失われていたという問題です。実は、AIJに運用を依頼していた会社は、XX県トラック協会とかXX県石油小売業協会とかいわゆる中小企業が中心で、このままではそれらの厚生年金基金が破たんしてしまいます。では、これらの企業年金を公的に救済するのかと言えば、これにも問題点があります。そもそも、これらの年金は、「確定給付年金」とよばれその多くは、年利5.5%で運用されることを前提に加入者へ年金支払額が確定しているものです。逆にいえば、5.5%の運用利回りがない場合には、会社がその差額を埋め合わせる必要があります。ところが、いまどき5.5%の運用はなかなかできません。そこで、年金の運用担当者は、高利回りを謳っていたAIJ投資顧問に運用を依頼したということです。しかし、多くの年金運用者は、AIJの高い利回りを疑問に感じ、ここを採用していなかったという事実もあります。しかも、この年金運用団体に多くの社会保険庁のOBが天下りをしていたという事実が分かり、大きな問題となっています。

そもそも、この低金利下5.5%での運用を約束していることに問題があり、運用成績が芳しくなければ、高い利回りの商品に飛びついてしまうという今の年金制度に問題があります。では、目標利回りを下げればいいかと言うと、これにも問題があります。つまり、目標利回りを下げる場合には、これまでの不足年金(代行部分)を補てんしなくてはなりません。ところが、この補てんをするだけの体力が中小企業である各企業にないことが問題です。そこで、利回りがその年の運用成績によって決められる年金形態(確定拠出年金)に変えやすくすることが必要です。

これについては、先週金曜日に衆議院財務金融委員会で指摘させていただきましたので、ご興味のある方は、ネットで録画をご覧ください。

今日は、24年度の予算が衆議院本会議で可決される予定ですが、その裏付けとなる「特例公債法案(赤字国債法案)」の採決については、先延ばしされています。予算執行に問題が生じなければいいのですが。。。。

すいません。先週は、風邪をひき数日お休みをしてしまいました。次女が、インフルエンザにかかっていたため、私も「もしや」と思い、すぐに検査に行きましたが結果は、陰性だったのでほっとしました。初めて行った港区のクリニックでしたが、先生が私の鹿児島の友人と大学の医学部で同級生だということが分かり、他の患者さんを待たせながらも話し込んでしまいました。お待ちになっていた皆さん「ごめんなさい」と言ってもこのブログは読んでないでしょうけど。

さて、今回のTPPについての考察は、まずISDS(Inter-State Dispute Settlement) 条項です。この条項についてもいろんな解釈がなされていますが、まずは、正確な理解が必要です。この条項は、「外国投資家と国家間の紛争を国際的な仲裁機関に付託するための規定」です。分かり易く言うと、「外国企業が日本での投資について、不平等を盾に日本国を提訴できる」ということです。もちろん、逆もまた真なりで「日本企業が、外国で投資をする場合に差別的扱いを受ければ、その国の政府を提訴」できます。ですから、これも、推進派からすると「日本企業の対外投資が保護される」という理解になるし、慎重派からすると「外資が日本国を訴えるなどと言うのは、主権を脅かす行為である」とか「賠償金狙いで、アメリカ企業の訴訟が激増するのではないか」という懸念も指摘されています。いずれにしても、これまでのSDS条項が適用された二国間経済協定のケースをもっと検証して、日本としての考え方を整理することが必要です。ちなみに、韓国では米韓FTAにおけるISDS条項を巡って、昨年末に大論争になりました。

公共事業についても外国企業が入札に参加しやすくなることから、TPPに慎重な意見もありますが、実は、日本の公共事業は既にWTO政府調達協定が適用となっていることから、政府調達については、約7億円以上、地方自治体(都道府県・政令都市)では23億円以上の案件で外国企業の入札が可能となっています(金額は、為替レートによってやや異なりますが)。では、どれくらいの外国企業が、応札したかと言うと、過去5年間で国・地方合わせてわずか6件しかありません。ですから、あまり心配することはないとは思いますが、入札条件を整えるために英文表記を求められたり、現在の地域要件の解除によりむしろ国内の大手建設会社と中小建設会社の競合が加速される可能性があるかもしれません。

ま、いずれにしても21に及ぶ分野を一つ一つ細かく検証し、トータルとして国益を損なわないような交渉を粘り強く行うことが肝要です。もちろん、結果として国益に反するような結果となった場合には、国会決議での不採択の可能性も否定しませんが、米韓FTAなどをみると2国間交渉よりもやはりアジアが束となってアメリカと交渉するほうが賢いような気がしています。

TPPについての考察は、今回で終わりますが、また、重要な展開がみられた時には御報告します。

明日は、財務金融委員会で、AIJ問題や年金運用問題について質問に立ちます。ぜひ、インターネットで観てください。

先週に引き続き、TPPについて考えます。今回は、医療と金融です。

まず、医療については、これまで情報が少なく、「アメリカの医療制度が押しつけられるのではないか」とか「日本の国民皆保険制度が崩壊する」などど危惧されていましたが、実際のアメリカとの事前協議では、こういった議題はテーブルに上っていないことが報告されました。問題は、むしろ「ドラッグ・デバイス・ラグ」つまり、日本の新薬や医療機器の認可制度にあると思われます。外国で有効な医薬が、日本国内で認可されるまでにあまりに時間がかかりすぎるという問題です。これについては、確かに改良が必要ですが、日本人と欧米人の体型や機能の違いを無視するわけにもいかないので慎重な検討が必要です。しかしながら、当初危惧されていた混合医療(公的保険が効く診療と効かない診療の組み合わせ)や自由診療(公的保険を使わない医療つまり保険点数のない医療行為も行える医療)については、別の観点から議論が必要です。例えば、難病の特効薬がなかなか新薬認可が下りず使えないとか、新しい医療技術が保険外医療となった場合には、混合医療が認められなければ全ての治療が保険外になってしまう(つまり、大変な高額になってしまう)ことの問題点なども指摘されます。と同時に、自由診療や混合診療を認めると、貧富の格差が医療格差になってしまい、お金持ちだけが高度の医療を受けることができるようになるのではないかという点も指摘されます。

次に、金融分野ですが、一番の焦点は郵便貯金と簡易保険です。郵政株式会社は、既に民営化され国の機関ではないのですが、米国を含む一部の金融関係者からは、「実質上、国の機関である。なぜなら、株式を国が保有しているのだから」という指摘があります。つまり、「国への預金」と考えればそのリスクは、国債と同じとなりますし、国の機関が保険、特に第三分野と呼ばれる「がん保険」などを販売すれば、民間企業より有利になる、公正な競争が阻害されるというのが予想される主張です(既に、アメリカの議会ではこの問題が取り上げられている)。ところが、現在、預金保険機構(金融機関が破たんした場合、1000万円まで預金を補償する機構)への保険料の支払いが最も多いのは、みずほ銀行でも三菱東京UFJ銀行でも住友三井銀行でもなく、実はゆうちょ銀行です。つまり、郵貯銀行は、株式は国が保有していても一般の銀行以上の保険負担をしています。また、がん保険(第三分野)については、自由化された今でもその日本国内でのシェアーは、圧倒的に米国の保険会社が握っているのが現状です。もうひとつの問題点は、制度共済です。いわゆる分野別共済(例えば、JA共済、全労災など)が、民間保険会社と対等な競争条件になっていないという問題点が指摘されています。

このように、米国がどういう観点からこれらの分野について、解放を求めてくるかはまだ分かりません。逆に、米国議会では、「日本がTPPに参加すると、交渉が遅れてしまう」などと日本のTPP参加を危惧する意見も出されています。

次回は、ISDS条項と安全保障について検証します。

ところで、国会がまた空転しています。私の属する財務金融委員会では、24年度の税制変更を年度内に決済しなくてはなりません。いわゆる、「日切れ案件」といって、多くの税制は、時限立法の延長です。これが、年度内に決済されなければ国民生活に大きな影響が出ます。野党の皆さんの協力を得るべく、なんとか頑張っていきます。

最近、「税と社会保障の一体化」などで議論がすこし鎮静化していますが、これから再びTPPの議論が白熱してきます。新聞やテレビでは、「イエス」か「ノー」かというアンケートが多く、自分の意見をちゃんと表現できないので、少し今日は、このことについてお話します。まず、前提は、これまで何十年も貿易立国として国富を拡大してきた日本が、自分に不都合だからと言って自由貿易を否定することはできません。だからと言って、TPPが最善かというのが今の議論です。今回から、数回に分けてTTPPを検証してみたいと思います。

まず、どのような選択肢があるのかという点です。TPPは、アメリカを中心とする環太平洋諸国の自由貿易、FTA/EPAは、特定の国と2国間の経済協定を結ぶ自由貿易、そして、今後提唱されるであろうASEAN+3またはASEAN+6は、中国を軸とする経済連携です。安全保障を考えれば、TPPが最善ですが、米国相手では交渉にならないのではと言う心配をする人もいます。おそらく、米国と2国間交渉では、米韓自由貿易交渉のように、かなり厳しい折衝となるでしょう。ただ、TPPには、多くのアジア諸国が参加するため、米国の好き勝手にはできないという見方もあります。

 さて、農業についてですが、農水省の試算によれば、「TPP参加によって、我が国の農業生産額は、4.1兆円減少し、壊滅的になる」本当でしょうか。まず、その前提は、「全ての関税が完全撤廃され、かつ対策を何ら講じない場合(つまり、品質と価格差をで輸入品と競合する品目と競合しない品目とに分け、競合する国産品はすべて輸入品に入れ替わるという前提)」であり、現実とかけ離れすぎていると思われます。そもそも、日本の農業は、高い関税や多く補助金を出すことによって、守られてきました。ところが、この20年で農業生産額は4兆円減少し、従事者の平均年齢も65.8歳と担い手も減少、もちろん農家の所得も減少してきました。従来通りの守り方では、もう限界に来ています。TPP問題とは、別のところで農業の再生プログラムを作り(昨年11月に作りましたが)、実行することが大事です。

では、工業製品はどうか。経産省の試算では、TPPに参加しなければ、10.5兆円のGDPが失われるというものですが。これも、現在のGDPにおける輸出比率を考えるとちょっと極端すぎる試算と言えます。賃金の上昇、法人税や不動産価格などから既に多くの製造業が海外生産にシフトしていることは皆さんも御承知の通りです。これも、TPP問題とは別に、生産性の向上や技術革新によっていかに製造業の生産拠点を国内に留めるかが課題です。設備投資を促し、就労人口を増加させることは、政府の大きな課題と言えます。

そのほか、TPPでは、21の分野について交渉が行われます。次回は、医療と金融について考えてみます。

 

 

 

今、国会で選挙制度改革の議論が行われています。いわゆる、「一票の格差」と「定数削減」の二つの課題です。

「一票の格差」とは、一人の議員あたりの有権者数の平準化を意味します。これまでもこの問題は、議論がされてきましたが、なんとなく「是正は必要だ」ということだけで終わっていました。今回、この格差問題に真剣に取り組むようになった背景は、最高裁の判決にあります。これまでも、法廷闘争はありましたが、判決は、「違憲状態ではあるが、選挙を無効にするほどではない」といったものでした。ところが、先般の判決は、「違憲状態であり、このままで選挙が行われれば無効となることもある」というものでした。総選挙を行って、すぐに「無効」と言われたのでは意味がないので今のうちに格差の是正をしようと言うことです。ところが、この判決については、議論があります。最高裁の考え方は、「一票の格差があってはならない。なぜなら、国会議員は国民の代表なのだから、同じ(最大2倍以内)有権者の数の中から選ばれるべきである。」という考え方に立っているのです。ところが、現実は、衆議院議員の仕事の中には、地域制の強いものが数多くあります。例えば、選挙区内のインフラ整備や市町村などからの陳情の処理です。特に、私の選挙区など所謂過疎地の多いところでは、「国会議員は、国の仕事をすべきだ」などとは言ってられず、高齢者問題、道路や港の整備、桜島の降灰などなど地域独自に解決しなくてはいけない問題がたくさんあります。つまり、この最高裁判決には、「地域事情」や「選挙区の面積」などは考慮されていないということです。ですから、裁判所が考える国会議員の責務と現実の政治活動に大きなギャップがあるため、なかなか議員は(特に選挙区が減らされる都道府県の議員は)納得がいきません。

もうひとつが、議員数の削減です。民主党は、マニフェストで比例区の80人削減を謳って選挙を戦いました。ですから、この案をいま与野党協議に党の案として出しています。ところが、これでは少数政党に不利であるとの意見から、いろんな対案が出されている状態です。ここ問題は簡単には解決しないでしょう。なぜなら、この国の統治のあり方が一致していないからです。そもそも小選挙区にした背景は、「政権交代が起こりうる選挙制度」、「お金のかからない選挙制度」として考えられましたが、それでは少数政党の意見が反映されないから「比例制度」を併用したわけです。ある意味で、「比例制度」は、緩和措置であったともとれるし、恒久的な措置であったともとれるわけで、当初のここの議論が正確でないと変更の根拠が弱いといえます。中には、「やっぱり中選挙区に戻そう」という動きもありますし、政党によっては「比例代表制」だけでいいというところあります。アメリカのように、州政府が独立した制度や税制を作れる合衆国制度なら、もっと議論は簡単なのですが、日本の場合は、地域主権とか地方分権とか言いながらいつまでも霞が関の官僚が、牛耳ろうとしているだけに事が厄介になっています。さて、どう落とし所を見つけるか?

最後に、私の意見は?

理想ですが、国会を一院制にして、国会議員は、各県から2名づつ。地域主権を徹底して、国からの予算は、総額だけを割り当て、後は都道府県と市町村が使い方を自分で模索する。国会議員の仕事は、外交、憲法論議、基本教育、社会保障、法制度、金融・財政、国税など国家的なものに限定する。総理大臣は、国会で選ぶのではなく国民の直接選挙による公選制。

現実からはちょっと程遠いですかね。。。。。。